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良心とは?

執筆者の写真: 竹村哲竹村哲

更新日:3月6日

浅学ながら私は次のように答えることができると思います。良心とは、眼差しの有り様です。厳密に言えば主観的にのみ妥当する格率・格律(maxim)です。(これはカントの言葉をモチーフにしていますが、これに倣うものではありません。)ここで言う“格”とは、人格性、すなわち主体を指します。一方“率”は、経験における三つの視座(想像・記憶・知覚)の比率です。つまり、直観の連なりから生まれる知覚や想像そして記憶の按配であり、これには他者に左右される屈性ではなく、それに振り回されることのない固有の傾性を有します。これが「自分らしい視座の傾性(nastic standpoint)」です。経験の輻輳によってこの傾性はより強まります。やがて人格性を律する格率すなわち格律に至るのです。これは、identity と authenticityが一つになったこと、つくりものの自分らしさと内発的な自分らしさとが融合(accommodation)したことを意味しています。(第3講 社会的空想体系より抜粋加筆)


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