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他者とは?

執筆者の写真: 竹村哲竹村哲

更新日:3月6日

ワロンは、『身体・自我・社会』の中で、他者を主観の世界(A)における第二の自我(b)[ワロン1985]として捉えています。ワロンは、共同性の上に自他の二重化を軸にして自我形成論を説いています。「子どもはまず最初、決して個別に閉じたところから出発するのではなく、他者へと開かれた系として出発し(ピアジェとの相違)、また出発点においてまさに無力であることを宿命づけられているが故に、周囲の人びととなんらかの共生的関係をもつ(フロイトとの相違)」[同書]と指摘しています。

他者の捉えに関して、横山は、「私にとっての他人とは私の心の中に映じた影像にすぎない」[横山2001]と述べています。さらに意識現象世界において「自分も人も実体としてあるのではない、関係的にあるのである」[同書]とも指摘しています。「人の目が怖い」という人は、比較的多くいるように思います。ただし、これは現実に一般化した怖い目つきというものがあるのではなくて、その人のこれまでの経験で培った他者の観念がこの言葉に現れているということです。他者(第二の自我)は、他者の経験が創りあげたものなのです。(第3講 他者(第二の自我)の形成より抜粋再構成)



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