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見ると観るとは?

執筆者の写真: 竹村哲竹村哲

更新日:3月6日

私は、目が行くことを見る、目をつけることを観ると区別しています。漫然か専心かの違いが両者にあると考えているのです。ちなみに授業参観という言葉がありますが、この意味は、大切な我が子のために授業という活動を保護者がしっかり観ることなのです。

ところで上の図は、立方体に見えますか。ではよく観てください。すると頂点が空間的に前後に入れ替わって見えたと思います。この図のことをネッカーキューブ[ブラックモア2015]と言います。一般に、視覚回路は対象と人体との相互作用によって活性化した脳内の感覚領域と運動領域の中にマッピングされます。しかし、ネッカーキューブの場合は、これに関して感覚領域に異なるマッピングが生まれることで運動領域との間に安定的な二次マッピングができないことから、脳がその修正(try & error)を繰り返していると考えられます。したがって、このゆらぎは、視覚からの情報が「観る」という行為と合致できずに、印象にあたる中核意識の状態を説明する役目の中核自己が言わば右往左往している様子と言えましょう。この例の示唆することは、すなわち一見して変哲のない対象も観ることで気づきや疑問を抱くことはあるということなのです。あなたは、子どもの姿を観過ごしてはいませんか。(第3講 印象より抜粋加筆)

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