私は、教科と教育には教える内容に違いがあると思っています。これは、それぞれ2文字の間にレ点を入れることで表せると思います。つまり、教レ科と教レ育、「科目を教える」か「育つことを教える」かです。一般に、教科の内容は所与で均一であるのに対して、教育における学びは内発的で多様です。つまり、子どもはその場で答えを導き出せなくても、後になって変化に気づき何かを学ぶのです。したがって、これを「後追いの学び」と言うことができます。私たちが改めて失念してはいけないこと、それは「子どもはスライスしたコピー可能な能力の集合体 ―能力の束的概念[ワロン1985]― ではない」ということです。そして、一人ひとりが学習主体であるということです。子どもの「後追いの学び」を待つこと、その結果を「これでいいのだぁ」と言って受け入れられるくらいの心のゆとりが教師にはほしいものです。(第1講 教師が変われば子どもは変わるより抜粋)
「後追いの学び」とは?
更新日:3月6日
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